ほだかさんそう

花本ほだかのはてな小屋。山小屋の「山荘」と「ほだかさん想」でかけている。

日劇ラストショウが私にくれた、ジブリ映画との新たなる出会い

ご無沙汰です。花本です。

今日は1ヶ月前に見た映画の話をします。

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日劇ラストショウに行ってきた

 

ちょうど1ヶ月前の2月4日、日本の映画シーンを最前線で支え続けた有楽町の映画専用劇場「日劇」が、85年という長い歴史に幕を下ろしました。

日劇の歴史を語るわけではない(上に有名な話なので詳細気になる方は調べて欲しい)のですが、ざっっくりと説明します。日劇は、日本の映画人にとって最も大切な、重要視される映画館の一つでした。封切りの日に客の入りを見るんですね。その人数が全国の配給数にも影響を及ぼす、指針となっていたわけです。一大事です。

有楽町・日比谷の辺りは、今も昔も名実ともに日本のショー・エンターテインメントの中心だなあと感じますし、私もあのエリアに降り立つ時、必ずそういった類の鑑賞目的なので、タイムスリップしてきたみたいなネオンに囲まれながら、少し浮き足立ったりすることもあります。ブラタモリなんか見てても感じましたけれども、小林さん、あなたのおかげで今がある。すごいですね。グラシアス。

 

さてそんな日劇ですが、最後の数日間に行なっていたさよならイベントがそれはもう凄まじかった。

複数作品一緒に見にいった友人のブログが詳しいので、上映作についてはこちらも参照するなどして欲しいのですが

 

【日劇ラストショウ】『映画クレヨンしんちゃん』精鋭オタクの集う夜 - 情熱を以て殴れ

 

ゴジラシリーズ、バックトゥザ・フューチャーオールナイト上映、クレしんドラえもんのオールナイト、君の名は。AKIRAShall we dance?、などなど東宝配給のド名作が連日フィルム上映されたわけです。

デジタル移行の関係で数年前に劇場からフィルム上映機材消えてるのに!大復活!

そしてまたラインナップがオタク心に刺さる刺さるゥ!ひぇ〜っ!オラわくわくすっど!!

私はこのイベント期間中に、「AKIRA」と、「紅の豚」そしてオーラス上映となった「もののけ姫」を鑑賞しました。

AKIRAについて触れる予定はないですが、恥ずかしながら今回が初鑑賞であり衝撃も凄まじく、且つあの作品が30年も前に作られたことに非常におっどろいたことをここに記しておきます。いつか原作も読みます。月曜から夜ふかしが先によぎってしまう切なさ。

 

私とジブリ映画の距離

 

距離という言い方が近いのかどうか分かりませんが、ジブリ映画に関しては育てられたと言っても過言ではない存在かと思います。もはやもう一人のママ。

今回のブログは思い出を振り返っての今回の映画の感想、という構成での自分語り100%でお届けする予定ですので、ずっとこの調子で行きます。

ついて来られるやつだけついてこい。

 

今のご時世、小さな子供を家に置き去りにして保護者が外に出て行くことは大変によろしくないみたいなのですが、私が子どもの頃はいたって普通のことでした。買い物行ってくるね、とか、仕事してくるね、とか。当時は珍しいお話ではなく、そうなった時子どもたちが何をして過ごすかというと、映像作品を鑑賞するわけですね。

我が家はとりわけジブリ作品が充実していました。金曜ロードショーで放映されるたびにVHSに録画してストックも増やしていましたし。

 

特に「紅の豚」は、回数だけでいうなら一番見ていると思います。幼い頃一番大好きだった作品がこれです。大人になった今考えると激シブです。もちろん未就学児にあの作品の本質的な部分が伝わっていたかというのは甚だ疑問ではあるのですが……なんてったってアダルティ。

何が幼少期の私と、二つ下の弟の心を掴んで留守番中に何度も繰り返し視聴するにいたらしめたんだろうと考察しますと、間違いなくポルコの飛行艇が紅色だったからだと思います。

ちょうど我が家の居間には、ポルコのサボイアS.21試作戦闘飛行艇によく似た、真っ赤な色をしたソファがありました。

そのソファには青白いシーツがかかっていて、シーツは赤色を邪魔するものでありましたので、よく我々によって剥がれていました。また、そのソファを2人して推して動かすものだから、そのたび母に叱られていたような気がします。

「真っ白なシーツ、美しい女たち」

ポルコがアジトを発つ際に飛行艇を押しながら呟くこのセリフは、私たち姉弟の口癖でした。正確には、幼少期の弟は私を尊敬してやまない、なんでも真似をするコピー人間だったので、この口癖を弟は一緒になって真似しつつ、よいこらせとソファを押していました。

ごっこ遊びは、決まって作品を再生しながら行われます。今も実家にありますが、我が家ではむかしなつかしレーザーディスクを使って鑑賞していたものですから、小さい手を使ってどちらがA面やらB面やら言いながら、とにかく再生させるわけです。

物語が前半ならば私たち2人はどちらもポルコだったし、後半ならば弟がポルコで、私はフィオでした。

「タブを使って!」

「タブゥ!?」

「新しくつけたやつ!」

私たちはソファの上でガタガタと飛び跳ねながら、ない翼でなんとか離陸しようと試みるわけです。だって、確かにソファの下にはミラノの川の水が迫ってきていて、どうにかしないといけないのですから。

実際のところ現実世界ではソファがミシミシいう程度で何が起こるわけでもないのですが、そのあと2人があまりにも綺麗に空を飛ぶものだから、テレビに向かって、それはもうやりきった表情で一緒に親指を立ててしまうわけですね。

私の記憶しているごっこ遊びは主にこの辺りを繰り返し行う内容であったと思います。良かったです、クライマックスの殴り合いとかを再現するタイプの姉弟じゃなくて。

とにもかくにも、私はこの作品を見るたびに、幼少期の体験を必ず思い出すのです。

 

……というかそんな思い出数え切れないほどあります。うどんを茹でる人を見かけては今でも山田くんのおかあさんステップをして背後から近づいてしまうし、バケツを頭にかぶって庭を駆け回ったし、弟と電車のロングシートにのっては、姿を変えられた坊と湯バードよろしく窓の外を見ながら謎のビートを刻んでしまうし、あんまんを食べるときはリンさんに貰ったと妄想しながら食べるし、路地で猫を見かけた際には時間があれば追いかけるし……ってあっれこれいよいよやべえやつかもしんねえぞ。でもこういう人日本中にたくさんおるんやろ!?おってくれ!!

 

ちなみに、もののけ姫に関しても同じくらいの熱量で幼い頃の思い出があります。ひいさまに影響されて布と枝とおはじきで何やら怪しげな占いに取り組んでいましたし、サンになりきって友人宅のソファから飛び降りた際には、左肩を脱臼骨折しました。
おてんばかよ。

 

そういった若干アクトが伴う見方が染み付いてしまっているのが関係してか、今回の「紅の豚」に関しては「フェラーリンと同じタイミングでポップコーンを食べるぞい!」と意気込み日劇のスクリーンへと乗り込んだのでした。

 

映画館で初めて見た、二作品。

 

一ヶ月も前の体験なのですが、未だに感覚が忘れられないのです。

あの時間が今も心に刻まれていて、どれだけの衝撃であったのかを思い知らされます。

最も強く感じたのは、「ああ、やっぱり映画館で見るために作られた映画なんだ」ということ。

音が、景色が、思いが、全部全部、ブラウン管を通して見ていたVHSのそれとは違いました。

何を当たり前のことを、といった話なのですが、「紅の豚」も「もののけ姫」も、それはそれは何度も、死ぬほど見ている作品でしたから、次の展開も、誰が何を話すのかも、全部わかった状態で見ているはずなのです。

でも、全く違った。

1000人規模の人々と一緒に見る「紅の豚」は初めてでした。あ、みんなここで笑うんだ、なんて新たな発見もありました。ジーナの船が出た後翼がポルコの頭を打つシーンが私はあの作品で最も好きで、いつも見るときは「来るぞ来るぞ〜」なんて身構えてしまうのですがそんなことできないくらい新しいものとして作品にのめりこめた時間でした。

エンディングの「時には昔の話を」は素晴らしいね、特にあの歌詞が好きだね、なんて友人と話しながら映画館を後にする、なんて体験も今までなかった。映画というものは、見終わった後の帰り道が好きなんです。ああ素敵だな、嬉しいな、と思いました。

日劇の幕を飾った「もののけ姫」。私もその1人でしたが、オープニングでアシタカせっきが流れた瞬間、涙を拭う人が大勢いました。

ジコ坊の「バカには勝てん」があんなに響いたのはこれまでの体験で初めてだったし

アシタカとサンのその後を思うと、毎度胸が痛くなるのですが(なんでこんな救いのない脚本なんや!と毎回思いますし、私はただ生き残ったすべての命が幸せな道を歩んでいますようにと祈るばかりですが現実はそう甘くないのでそうもいかない気がする。現実じゃないけど)そういった心と身体人間の全部オリンパス(?)を全てを包み込む自然を描いた映像美と音楽がこれでもかと秒速即完チケットを手にして集まった熱意ある人間たちをぶん殴っていくわけです。号泣しながらコダマをみてエンドロールの米良パワーの間もずっと泣いてて、大変に干からびました。

 

とりあえずあの時の感動を忘れないようにしたくて、こう、ない語彙でまとめ上げたわけですが

こうして定期的に過去の名作を振り返っていただける機会があると、比較的後ろの方の時代に生まれてしまった我々としては大変嬉しいことだなあと深く感じ入ったわけです。

映画って、いいものですね。改めて。大好きで何度も何度も見る作品があれば、大好きすぎて距離を置かざるをえなかったり、あまりに心が締め付けられるから怖くてもう二度と見られないかもしれない、でも心の底から大事に感じている作品ってのもあります。そのほとんどが、出会いが映画館という場所だけれども、なんだかそう思うと映画館って場所は人々のあらゆる感情を乗せた舟のような気がしますね。

 

兎にも角にも、大変に良きイベントでした。

日劇が繋いでくれた新しい出会いに大感謝です。

ありがとう、そしてお疲れ様でした。

日比谷にできる新しいシネマコンプレックスにも、足を運んで見たいと思います!

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ブログ以外のあれこれはGendarme△で。花本ほだかの創作置き場です。